100F16

45歳の女性。発熱、咳および呼吸困難を主訴に来院した。子供の夏休みに合わせて、築30年の木造家屋から引越するため、押入れの整理を行ったところ、夕方から、発熱、咳および呼吸困難が出現した。意識は清明。体温38.2℃。呼吸数20/分。脈拍92/分、整。血圧110/68mmHg。両肺野にfine cracklesを聴取する。血液所見:赤沈40mm/1時間、赤血球410万、Hb 14.1g/dL、Ht 42%、白血球14,200(桿状核好中球16%、分葉核好中球65%、好酸球2%、単球3%、リンパ球14%)。胸部エックス線写真で両側性にびまん性散布性粒状影を認める。抗菌薬の投与を受けたが、症状の改善はない。
この疾患で誤っているのはどれか。
拘束性換気障害を認める。
発症にはIgE抗体が関与する。
カビの反復吸引が原因である。
副腎皮質ステロイド薬を投与する。
気管支肺胞洗浄液中のリンパ球が増加する。

解答: b

100F16の解説

発熱、咳および呼吸困難を主訴とする45歳女性。押入れの整理を行ったところ、夕方から、発熱、咳および呼吸困難が出現したという。胸部エックス線写真で両側性にびまん性散布性粒状影を認める。抗菌薬投与で症状の改善はない。両肺野にfine cracklesを聴取すること、現病歴を踏まえると夏型過敏性肺炎が考えられる。
a 夏型過敏性肺炎は拘束性障害を認めるため、%VCは低下する。
b 誤り。夏型過敏性肺炎はIII型+IV型アレルギー機序によるものであり、IgE抗体を関与するI型アレルギー機序は関係ない。
c カビの反復吸引により症状を呈する。
d 抗原の隔離が治療となるが、重症例では副腎皮質ステロイド薬を投与する。
e 気管支肺胞洗浄中のリンパ球が増加する。夏型過敏性肺炎ではCD8リンパ球優位に上昇するため、CD4/CD8比は1以下となる。

正答率:69%

テーマ:過敏性肺炎の特徴

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