100D1

48歳の男性。腹痛を主訴に来院した。5日前から主に食後、上腹部に鈍痛を生じるようになり持続している。軽度の嘔気はあるが嘔吐はない。意識は清明。体温36.4℃。脈拍68/分、整。血圧136/80mmHg。心雑音はない。心窩部に圧痛があるが、筋性防御はない。朝食を食べずに来院したので、直ちに上部消化管内視鏡検査を行った。内視鏡写真を別に示す。
この患者の診察記録を問題指向型で診療録に記載した。
S:①5日前から主に食後、上腹部痛(鈍痛)が生じるようになり持続している。軽度の嘔気(+)、嘔吐(-)である。
O:②意識は清明。体温36.4℃。脈拍68/分で整。血圧136/80mmHg。心雑音(-)。心窩部に圧痛(+)、筋性防御(-)である。
A:③内視鏡検査で胃に潰瘍性病変がある。
P:④プロトンポンプ阻害薬を投与して様子をみる。
⑤ヘリコバクター・ピロリの検査(呼気テスト)を予定する。
問題指向型医療記録の記載として適切でないのはどれか。

解答: c

100D1の解説

問題指向型医療記録〈POMR〉の記載は、SOAPが原則である。
a ①は主観的な内容であり、S〈Subjective〉として適切。
b ②は客観的な所見であり、O〈Objective〉として適切。
c 誤り。③の内視鏡所見はO〈Objective〉に該当する。評価を記載すべき、A〈Assessment〉ではない。
d ④は胃潰瘍病変に対して治療を開始するというP〈Plan〉である。
e ⑤は検査の予定であり、P〈Plan〉として適切。

正答率:72%

テーマ:問題指向型医療記録〈POMR〉の診療録〈カルテ〉記載

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