100A7

31歳の女性。全身の紅斑と水疱とを主訴に来院した。1週前からの感冒症状のため近医でスルピリンを投与された。しかし、熱はさらに高くなり、昨日から顔面、上肢および躯幹に紅斑と水疱とが出現し、急速に拡大してきた。体温39.5℃。眼瞼、口唇、口腔粘膜、外陰部および肛門部がびらん化し、一部に痂皮を付着する。全身皮膚のびまん性紅斑と広範囲の水疱および表皮剥離を認める。躯幹の写真を別に示す。
正しいのはどれか。
脱毛を伴うことが多い。
表皮細胞の壊死を認める。
Köbner現象が陽性である。
血中抗基底膜部抗体を検出する。
通常量の被疑薬を再投与して原因を究明する。

解答: b

100A7の解説

壮年女性の全身性紅斑と水疱。薬剤が契機となっていると思われる病歴があり、画像では(本文にも記載があるように)皮膚のびまん性紅斑と広範囲の水疱および表皮剥離を認めている。中毒性表皮壊死症〈TEN〉の診断。
a TENの疾患名をよく観察すると「表皮」の壊死であることが分かる。毛根は真皮以下にあるため、表皮の壊死のみでは脱毛をみない。
b 正しい。TENの病名どおり、適切な記載である。
c Nikolsky現象が陽性となる。
d 血中抗基底膜部抗体が検出されるのは水疱性類天疱瘡など。
e 通常量の再投与は皮疹を増悪させる可能性があり、禁忌。

正答率:76%

テーマ:中毒性表皮壊死症〈TEN〉について

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