100A57

28歳の女性。悪心、嘔吐および蕁麻疹を主訴に来院した。昨夜青みの魚を食べた後、悪心と嘔吐とが出現し、全身に蕁麻疹も出現した。意識は清明。体温37.2℃。脈拍68/分、整。血圧120/60mmHg。胸部に異常はない。腹部は軽度膨隆し、右肋骨弓下に圧痛を認める。全身に小豆大の膨疹を認め、一部癒合している。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、沈渣に異常はない。糞便検査:潜血(-)。血液所見:赤沈18mm/1時間、赤血球400万、Hb 12.6g/dL、白血球8,600(好中球59%、好酸球4%、好塩基球1%、単球10%、リンパ球26%)、血小板39万。血清生化学所見:総蛋白7.9g/dL、尿素窒素9mg/dL、クレアチニン0.5mg/dL、AST 12U/L、ALT 6U/L。CRP 0.5mg/dL。
この患者の治療薬として適切なのはどれか。2つ選べ
抗菌薬
免疫抑制薬
抗ヒスタミン薬
副腎皮質ステロイド薬
非ステロイド性抗炎症薬

解答: c,d

100A57の解説

悪心、嘔吐および蕁麻疹を主訴とする28歳女性。昨夜青みの魚を食べた後、悪心と嘔吐とが出現し、全身に蕁麻疹も出現したことから青魚摂取による蕁麻疹が示唆される。青魚に含まれるヒスチジンが、時間経過と共にヒスタミンへと分解される。それを摂取することによりヒスタミン中毒を起こし、蕁麻疹などのI型アレルギーの症状が出現する。
a 細菌感染症ではなく抗菌薬は不要。
b 免疫抑制薬は癌などに対する治療薬。
c 正しい。抗ヒスタミン薬により急性期アレルギー反応を抑制する。
d 正しい。即時作用はないが、遅発症状を予防する効果がある。
e 非ステロイド性抗炎症薬〈NSAIDs〉は消炎鎮痛薬であり、蕁麻疹に対する治療薬ではない。

正答率:86%

テーマ:蕁麻疹・アナフィラキシーの治療薬

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