100A45

10歳の男児。左陰嚢部の痛みを主訴に来院した。早朝に左鼠径部の痛みで目を覚ました。左精巣は腫大し陰嚢の上部に位置している。自発痛と圧痛とがともに強い。超音波ドプラ検査では左精索の血流を確認することができない。
治療として適切なのはどれか。
抗菌薬の投与
抗凝固薬の投与
左精巣の冷湿布
左精巣の牽引
緊急手術

解答: e

100A45の解説

突然の陰嚢部の痛みと精巣の腫大を認め、超音波で血流の途絶が確認されており、精巣捻転症である。血流障害によって造精機能障害が生じる可能性があり、遅くとも6時間以内に手術を行う必要のある緊急疾患である。
a 症状から考えると精巣上体炎や精巣炎も鑑別に挙がるが、超音波ドプラから精巣捻転症の診断がつくため、抗菌薬は不適切である。
b 血栓症ではないので不適切。捻転による物理的な血流途絶である。
c 単なる炎症ではないので冷却しても痛みが多少和らぐ可能性はあっても意味はない。
d 用手的な整復は効果が薄いため手術の必要がある。
e 正しい。捻転整復と精巣固定術を早急に行う必要がある。

正答率:94%

テーマ:精巣捻転症の治療

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