100A4

45歳の男性。数か月前から始まった食思不振と倦怠感とを主訴に来院した。「食べ物が砂をかむような味しかしない。食欲がでない」と言う。身長170cm。最近2か月で、67kgだった体重が63kgに減少した。先週会社の健康診断で受けた上部消化管造影は正常で、胸部エックス線撮影、血液検査および生化学検査に異常所見はなかった。健胃薬を処方したが2週たっても症状は改善しなかった。さらに患者は、最近では「朝方早く目が覚めて再び眠れないので、睡眠薬を処方して欲しい」と言う。
診断に最も重要な質問はどれか。
「週末には眠れますか」
「家系に癌が多いですか」
「物忘れはありませんか」
「楽しく過ごす時間はありますか」
「職場でストレスはありませんか」

解答: d

100A4の解説

中年男性の食思不振と倦怠感、早朝覚醒。うつ病が考えやすい。
a 早朝覚醒が特徴的なわけで、週末の睡眠状態を聴取することの意義は乏しい。
b 癌ではない。
c 認知症ではない。
d 正しい。喜びの喪失はうつ病の重要なキーワードだ。
e 職場でのストレスを契機に発症したうつ病かもしれない。が、職場のストレスなど多かれ少なかれ誰しも抱えているものだ。それが存在したからといってうつ病の診断にはつながらない。
※「食べ物が砂をかむような味しかしない」という訴えについてはSee 108G24

正答率:77%

テーマ:うつ病の診断に最も重要な質問

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