100A30

56歳の男性。食欲低下と全身倦怠感とを主訴に来院した。薬物の服用はない。3日前から症状が出現し、家族に目の黄染を指摘された。4週前バーベキューでイノシシ肉を食べたが一緒に食べた人も同様の症状を訴えている。血液所見:赤血球440万、Hb 14.9g/dL、Ht 43%、白血球5,500、血小板26万、プロトロンビン時間46%(基準80~120)。血清生化学所見:総蛋白8.3g/dL、アルブミン4.7g/dL、IgG 1,780mg/dL(基準960~1,960)、総ビリルビン4.7mg/dL、直接ビリルビン3.9mg/dL、AST 659U/L、ALT 1,222U/L、ALP 278U/L(基準260以下)、γ-GTP 192U/L(基準8~50)。免疫学所見:CRP 0.4mg/dL、IgM型HA抗体(-)、HBs抗原(-)、HBs抗体(+)、HCV抗体(-)、HCV-RNA(-)、VCA-IgG抗体(+)、CMV-IgG抗体(+)、抗核抗体(-)。
最も考えられるのはどれか。
A型肝炎
B型肝炎
C型肝炎
D型肝炎
E型肝炎

解答: e

100A30の解説

3日前から急性に発症しており、眼球結膜の黄染を認め、血液検査ではALT有意の肝細胞逸脱酵素の上昇を認める。
a IgM型HA抗体(-)であることから考えにくい。
b HBs抗原(-)であることから考えにくい。なお、HBs抗体(+)はB型肝炎ウイルスの予防接種既往があるか、B型肝炎の既往が考えられる。
c HCV抗体(-)、HCV-RNA(-)であることから考えにくい。
d D型肝炎はB型肝炎の存在下で重複して感染することから、B型肝炎が否定的である時点で考えにくい。
e 正しい。E型肝炎はイノシシなどの生肉の摂取により感染する。

正答率:77%

テーマ:E型肝炎の診断

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