100A20

62歳の男性。背部痛が出現し冷汗も認めたため来院した。喫煙30本/日を35年間。42歳時に椎間板ヘルニア、59歳時に急性心筋梗塞の既往がある。意識は清明であるが、発語は少ない。身長165cm、体重76kg。脈拍84/分、整。血圧160/80mmHg。胸部の聴診で異常を認めない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球427万、Hb 13.4g/dL、Ht 39%、白血球10,300、血小板14万。血清生化学所見:総蛋白6.4g/dL、AST 46U/L、ALT 57U/L、CK 144U/L(基準10~40)、LD 189U/L(基準176~353)。胸部造影CTを別に示す。
治療薬はどれか。
ヘパリン
アトロピン
フロセミド
プレドニゾロン
プロプラノロール

解答: e

100A20の解説

背部痛と冷汗を認める62歳男性。胸部造影CTでは下行大動脈に偽腔を認め、Stanford B型の大動脈解離と診断する。
a ヘパリンは血栓予防に用いられ、大動脈解離では偽腔内の血栓化が遅延するため用いない。
b アトロピンは徐脈に用いる。
c フロセミドは利尿薬であり、除水することで結果的に血圧は低下するも、大動脈解離によってみられる高血圧は貯水によるものではないため、本質的な治療とはならない。
d プレドニンはステロイドであり、大動脈解離には不要。
e 正しい。プロプラノロールはβ遮断薬であり、Stanford B型の大動脈解離に対して降圧薬として用いる。

正答率:69%

テーマ:大動脈解離の治療薬

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