100A19

64歳の男性。5日前から続く咳嗽と労作時呼吸困難とを主訴に来院した。2週前に左下腿の腫脹が出現した。胸部造影CT(A、B、C)を別に示す。
治療として誤っているのはどれか。
抗凝固療法
血栓溶解療法
経カテーテル血管拡張術
下大静脈フィルター留置術
外科的血栓除去術

解答: c

100A19の解説

5日前から続く咳嗽と労作時呼吸困難とを主訴とする64歳男性。胸部造影CT(A、B)では左肺動脈に造影欠損を、別のスライス(C)では右肺動脈にも造影欠損を認めている。2週前に左下腿の腫脹が出現したことから深部静脈血栓症〈DVT〉から肺血栓塞栓症を発症したと考えられる。
a 肺血栓塞栓症の治療として抗凝固療法を行う。
b 形成された血栓の溶解のため、血栓溶解療法を行うこともある。
c 誤り。経カテーテル血管拡張術では血栓を取ることはできず、まずは薬物療法にて血栓を溶かすことを優先する。
d まだ下肢深部静脈血栓が残存している場合には追加で肺動脈に詰まり、状態が悪化する可能性がある。下大静脈フィルター留置により、深部静脈血栓症から肺血栓塞栓症への発症を予防する。
e 薬物治療でも改善が見込めない場合には考慮する。

正答率:63%

テーマ:肺血栓塞栓症〈PE〉の治療

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