100A15

20歳の女性。咳を主訴に来院した。3日前から乾性咳嗽が出現し、2日前から発熱、頭痛および前胸部痛がある。抗菌薬の投与を受けたが改善しない。10日前から喫煙を始めた。ペットは飼育していない。アレルギー性鼻炎がある。意識は清明。身長154cm、体重48kg。体温36.9℃。脈拍104/分、整。血圧120/80mmHg。両側下肺野にcracklesを聴取する。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球394万、Hb 13.8g/dL、Ht 42%、白血球12,200(桿状核好中球12%、分葉核好中球24%、好酸球56%、単球1%、リンパ球7%)、血小板37万。気管支肺胞洗浄液中の好酸球が80%を占めている。胸部エックス線写真(A)と胸部単純CT(B)とを別に示す。
治療薬はどれか。
ST合剤
抗結核薬
ガンシクロビル
副腎皮質ステロイド薬
非ステロイド性抗炎症薬

解答: d

100A15の解説

咳を主訴とする20歳女性。両側下肺野にcracklesを聴取し、胸部エックス線写真(A)では両下肺野ですりガラス状陰影を認める。胸部単純CT(B)では右胸水を認め、両側にすりガラス状陰影と小葉間隔壁の肥厚を認める。10日前から喫煙を始めたということから急性好酸球性肺炎を疑う。
a ST合剤はニューモシスチス肺炎の治療薬である。
b 抗結核薬は結核に対して用いる。
c ガンシクロビルはサイトメガロウイルス肺炎に対する治療薬である。免疫不全状態ではなく否定的。
d 正しい。急性好酸球性肺炎では、副腎皮質ステロイド薬を用いる。自然軽快することもある。
e 非ステロイド性抗炎症薬は治療薬とはならない。

正答率:93%

テーマ:急性好酸球性肺炎の治療薬

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