100D49

次の文を読み、49、50の問いに答えよ。
68歳の男性。嚥下障害を主訴に来院した。
現病歴:1か月前肉片がつかえ、そのときは水を飲んで通過させたが、以後固形食がしばしばつかえるようになった。この1か月で5kgの体重減少がみられる。2日前から水分しか通らなくなった。
生活歴:飲酒週2日、ビール大瓶1本/回を40年間。喫煙30本/日を40年間。
現 症:意識は清明。身長164cm、体重65kg。体温36.1℃。脈拍76/分、整。血圧146/98mmHg。心雑音はなく、呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟。肝・脾を触知しない。
検査所見:血液所見:赤血球365万、Hb 10.9g/dL、Ht 35%、血小板29万。血清生化学所見:総蛋白5.8g/dL、アルブミン2.9g/dL、尿素窒素22mg/dL、クレアチニン1.0mg/dL、総ビリルビン0.6mg/dL、AST 18U/L、ALT 10U/L、Na 146mEq/L、K 4.5mEq/L、Cl 105mEq/L。食道造影では水溶性造影剤の通過が遅延し、食道中部から下部に高度の不整狭窄像を認める。
対応として最も適切なのはどれか。
経過観察
流動食
輸血
経鼻経管栄養
中心静脈栄養

解答: e

100D49の解説

食道造影で食道中部から下部の高度の不整狭窄を認めており、食道癌による通過障害に伴い低栄養状態であることが考えられる。
a 経過観察は問題解決にならない。
b・d 物理的に通過障害があるため、ステント留置などを行わない限り経腸栄養は難しい。
c 貧血は無く、輸血は不適切である。
e 正しい。経腸栄養が不可能の場合は、中心静脈栄養の適応である。

正答率:54%

テーマ:【長文1/2】進行食道癌の対応

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