100C19

次の文を読み、19~21の問いに答えよ。
28歳の男性。意識障害のため救急車で搬入された。
現病歴:6年前、入社時の健康診断で高血糖と尿糖とを指摘されたが、症状がないため放置していた。半年前から口渇と多尿とがあり、ジュースやスポーツドリンクをよく飲むようになっていた。最大体重27歳時94kgであった。1か月前から体重が急激に減少し、倦怠感が増強していた。今朝からぐったりとなり意識がもうろうとなった。
既往歴:子供のころから肥満であった。
家族歴:父と兄とが糖尿病である。
現 症:傾眠傾向で、大声で呼ぶと開眼する。身長176cm、体重84kg。体温36.2℃。呼吸数22/分。脈拍96/分、整。血圧132/88mmHg。眼瞼結膜に貧血を認めず、眼球結膜に黄疸を認めない。口唇と舌とは乾燥している。心雑音は聴取しない。肝は右肋骨弓下に2cm触知する。浮腫は認めない。アキレス腱反射は両側消失している。
検査所見:尿所見:比重1.036、蛋白(-)、糖4+、ケトン体3+。血液所見:赤血球480万、Hb 14.6g/dL、Ht 46%、白血球9,800、血小板22万。血清生化学所見:血糖820mg/dL、HbA1c 14.6%(基準4.3~5.8)、総蛋白7.4g/dL、アルブミン3.8g/dL、尿素窒素34mg/dL、総コレステロール282mg/dL、トリグリセライド340mg/dL、AST 32U/L、ALT 48U/L。
この患者の検査所見で予想されるのはどれか。
GAD抗体陽性
低カリウム血症
高インスリン血症
代謝性アシドーシス
アニオンギャップ減少

解答: d

100C19の解説

28歳男性の意識障害。尿糖4+、尿ケトン体3+、血糖820mg/dL、HbA1c 14.6%より糖尿病性ケトアシドーシス〈DKA〉である。最大体重27歳時94kgとのことで2型糖尿病由来の、ソフトドリンクケトアシドーシスであろう。
a GAD抗体陽性は1型糖尿病。
b アシドーシスにより高カリウム血症となる。
c インスリン欠乏が病態の発端。
d 正しい。代謝性アシドーシスとなる。
e ケトン体の上昇により、アニオンギャップが増加する。

正答率:88%

テーマ:【長文1/3】糖尿病性ケトアシドーシス〈DKA〉の検査所見

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